こんにちは空き家の売却相談ナビです。今回は「定期的に手入れしていた一戸建てを売ろうと考えているんだけど、どれくらいで売れるかな?」といった疑問にお応えするため、不動産売買の専門家である管理人がメンテナンスをしていた不動産の売却相場について解説していきたいと思います。
一般的にリフォームを全く行なって来なかった建物の売却相場は「木造平屋一戸建て住宅の築年数と売却相場」「軽量鉄骨造2階建て住宅の築年数と売却相場」「木造2階建て不動産の築年数と売却相場」などで掲載している通り最終的には解体費分のマイナスで取引されます。
一方、定期的にメンテナンスしている不動産は1970年代築など古い物件だとしても解体費分のマイナスにならず、リフォーム分の価値が残存して取引される事が知られています。
定期的にメンテナンスしている不動産の価値
定期的にメンテナンスが行われている不動産では築年数30年〜50年が経過していたとしても画像のように水回りがリフォームされている事が一般的です。
このような不動産では「建物価値(0円)+リフォームの価値+土地の価値」で売買される事が多々あります。
実際に管理人が関わった不動産では下記のように購入希望者から指値(値段交渉)がありましたが「建物価値(0円)+リフォームの価値+土地の価値」で売買されました。
購入希望者からの指値
(画像引用元:https://www.chikamap.jp)
上記は近隣の●町(●●●1−8)で売りに出された土地です。相続税路線価=48000円・固定資産税路線価=43100円の地域が坪単価12.78万円以下(約3.87万円/㎡)で取引されています(実際の資料にはレインズ等のデータが添付されていました)。
売買対象物件の相続税路線価は44000円、固定資産税路線価は41000円となっています。
土地の広さは登記事項証明書より91.65㎡のため先ほどの土地売買データから求めた土地の市場価格は「3.87:48000 = X:44000 (相続税路線価を利用)」「3.87:43100 = X:41000(固定資産路線価を利用)」より3.55万円/㎡〜3.68万円/㎡(坪11.7万円〜坪12.14万円)と求めることができます。
仮に3.68万円とすると土地の価値は「3.68万円×91.65㎡=335万円」となります。毎年、土地の価値は下がっていますが335万円(坪12.14万円)はおそらく2018年時点の相場の下限辺りで、実際に土地が動きやすい価格帯は坪単価12〜16万円程度と考えています。
そのため、売買対象地の土地価格は間をとって「(12+16)÷2=坪14万円」と考えさせて頂き、土地値は「14万円×27.77坪=389万円」と査定させていただきました。
次に建物となりますが拝見した限りでは1970年代に新築、建築後40年以上経過しているため一般的には解体費用分(60〜100万円)のマイナスで取引されますが、メンテナンスが定期的に行われているため今回は0円と査定させていただきました。
リフォーム部分の価値についてですがリフォーム時点の価値を100%として年数が経過することによって価値が減価すると仮定の元、下記のように査定させていただきました(実際の資料にはより詳しい計算式が掲載されていました)。
お風呂 | 12万円 |
システムキッチン | 7万円 |
エアコン | 2万円 |
外壁塗装 | 7万円 |
フロアタイル | 6万円 |
CF | 2万円 |
給湯器 | 3万円 |
トイレ | 1.5万円 |
洗面台 | 0.5万円 |
壁紙 | 1万円 |
合計 | 42万円 |
よって取引事例比較法と積算価格法による簡易計算した不動産価値は「389万円+0万円+42万円=431万円」と考えております。
購入希望者からの指値(値段交渉)には上記のような価格の根拠が一緒に付けられている場合があります。全く根拠がなく、値引きしてほしいという場合もありますが投資家の場合、相場データ等に基づいて論理的に価格交渉をしてくる方が多いです。
メンテナンスしていた不動産の売却相場まとめ
今回取り上げた事例は投資家からの購入申し込みなので一般的な居住目的の購入希望者に比べると価格交渉が若干厳しかった可能性があります。
しかし、実際に売買された金額は「建物価値(0円)+リフォームの価値+土地の価値」となっており、全くメンテナンスをしなかった物件に比べると100万円以上(解体費用+リフォーム残存価値)高値で売買されています。今回の記事が不動産売却の参考になりましたら幸いです。