こんにちは空き家の売却相談ナビです。今回は不動産の価値の見極めと売却戦略について記載していきたいと思います。不動産は資産性の面で下記のように4つのランクに分けることができ、ランクによって売却戦略が異なります。
不動産のランク付け
不動産の価値は土地(立地)と建物に大きく分けることができますが、最も影響が大きいのは立地です。立地が悪い不動産ではいくら建物にお金をかけていたとしても価値は低くなります。そのため、不動産会社が売り出し価格の査定をするときは立地を主体において査定価格を算出します。
ランク | 説明 | 売主優位性 |
---|---|---|
上 | 利便性が高い一等地の不動産。建物の状態も良く、強気の値段設定でも売れる | ★★★★★ |
中 | 交通の便がそれなりの不動産。類似不動産が多いので強気の値段設定だと値引き交渉が入る | ★★★ |
下 | 交通の便があまり良く無い不動産。、類似不動産が非常に多いので安値で売りに出してもさらに値引き交渉が入る | ★ |
無価値以下 | 山奥の一戸建て、維持費のかかるリゾートマンション、原野など。価値が低く0円でも買い手がいないケースもあり |
ランクが高ければ好条件で売れる機会が多いため売主は主導権を持って売り急がず高めの値段設定で時間をかけて売却手続きをすることができます。逆にランクが低い場合、高値で価格設定しても類似物件が多いため、全く反応が無いことがほとんどです。
空室期間が長くなると建物が痛みますし、さらに売れにくくなるので、お手頃な値段設定をして早期売却を目指したほうが結果として高くれることがほとんどです。
ランクや価値の決まり方
不動産会社の査定方法については「土地の売り出し価格を決める評価・査定方法」「不動産会社による住宅の査定方法」でも掲載していますが、基本的には「需要と供給のバランスで決まります」
具体的には、地方だと敷地内に駐車場があるか無いかによって下記のように同一地域の不動産だとしても価値が大きく異なることが知られています(実際に友人の不動産会社で売買が成立した物件の例)。
駐車場ありA市で坪単価20万円の地域、土地の面積は29坪、平成2年築の建売住宅、建物は小さいが駐車場が確保されており、並列で2台駐車可能、700万円で売買成立。上記のランクだと「中」に位置する不動産
駐車場なしA市で坪単価20万円の地域、土地の面積は30坪、昭和58年築の立派な注文住宅、建物が敷地いっぱいに建てられているため駐車場は無し、500万円で売買成立。上記のランクだと「下」に位置する不動産
定性的な分析方法
定性的(主観的)に不動産のランクを分析するのならば友人や知人などに売ろうと考えている不動産を買って住むかどうか聞けばある程度のランクを判別することができます。
通常、地方で駐車場が無い物件を買おうとする人は殆どいません。また、ファミリー向けの地域なのに50㎡以下の面積しか無い建物だと需要が限られてくるため売却しにくい可能性があります。このように、定性分析については立地よりも「建物」の価値を見極めるのに利用されることが多いです。
定量的な分析方法
定量的に売却を検討している不動産の価値を分析するのには[売出物件数と成約物件数の相対的割合]と[人口密度]を調べれば立地の強さを分析することができます。例えば売出物件数が少ないのに成約物件数が多い地域(立地)は不動産を売りやすいエリアの可能性が高いです。
また、人口密度に対して売出物件数が少ない地域も売りやすいエリアの可能性が高いです。このような定量分析については不動産会社が閲覧できるレインズのデータや自治体の人口密度などのデータから分析することができます。
不動産の価値と売却戦略まとめ
空き家の場合、道路付けが悪く、建物も古いケースが殆どなので不動産ランクとしては「下」に該当することが殆どです。このような不動産についてはあまりにも相場とかけ離れた値段設定をしてしまうと全く反応が無いケースが多いので、通常はお手頃価格で売りに出し6ヶ月以内での成約を目指します。今回の記事が不動産売却の参考になりましたら幸いです。