こんにちは空き家の売却相談ナビです。今回は自筆証書遺言について書いて行きたいと思います。「自筆証書遺言」は遺言と言われた場合、まず始めに思い浮かぶ遺言の方式だと思います。いつでも、どこでも自分一人で書く事が出来、訂正や書き直しも簡単です。しかし正式な遺言として認められるには以下のような要件を満たす必要があり、実務の現場でも自筆証書遺言はトラブルになることが多いです。

自筆証書遺言の要件

遺言書

  • 遺言の全文を自分で書く事:wordなどパソコンソフトでの作成は認められません
  • 日付と名前を自分で書く事:2015年5月22日など日付まで正確に記入する必要があります。
  • 自分で押印をする事:署名と押印が必要です。認め印でも構いませんがトラブル防止のため、実印が望ましいです。

全文の自署が必要なため、高齢の場合はかなり大変です。長文の自署が苦手な場合や確実な遺言を希望される場合、公正証書遺言がおすすめです。

遺言で効力のある内容と効力の無い内容

公正証書遺言、自筆証書遺言の共通時効ですがどのような遺言内容でも法的効力があるわけではありません。遺言で残す事が出来る意思表示は法的には下記の3点となっています。

  • 相続に関する事:相続分や遺産分割の方法の指定、相続人の廃除や廃除の取消など
  • 身分に関する事:子供の認知、未成年後見人や未成年後見監督人の指定など
  • 財産処分に関する事:遺贈や寄付、信託など

自筆証書遺言の訂正

自筆証書遺言を書き終えた後、間違えがあった時は遺言の一部を訂正する事が可能です。ただし、訂正の方法は厳格に決められており、きちんとした方法で行わなければならない為、訂正をせず書き直した方が良いでしょう!また、遺言の保管方法については自宅の金庫や銀行の貸金庫、信頼できる人(士業など)へ預けるのが一般的です。

遺言書の文章と契印

実際に遺言書を書く際、相続人に財産を相続する場合は「○○へ遺贈する」と書くのではなく「○○へ相続させる」と表現した方がいいでしょう!また、相続人以外へ財産を相続させる場合は「○○へ遺贈する」と表記するのが一般的です。なお、契印については遺言書の用紙が2枚以上になったらホチキスなどで留めて、つなぎ目に遺言書に押印したものと同じ印で契印を押します。

自筆証書遺言と登記申請

名寄帳の取得
相続人の一部もしくは全員に対して「相続させる」旨の遺言が残されているときは、遺言に基づいて相続登記をすることができます。相続人以外の者に「遺贈する」旨の遺言が残されている場合は、相続登記ではなく「遺贈による所有権移転登記」をする必要があり、相続登記とは手続きが異なります。

運営者

なお、相続登記(相続による所有権移転登記)手続きでは、遺贈の場合は受遺者と遺言執行者または全相続人が共同で申請しなければなりませんが、相続人に対し「相続させる」旨の遺言がある場合はその相続人が遺言を登記原因として単独で登記申請する事が出来ます。

相続人の登録免許税

相続登記手続きに要する登録免許税は、遺贈の場合は不動産価格の20/1000ですが相続の場合は4/1000となっています。

農地法3条の許可

地方の相続では農地が関与する事が多いです。農地の取得について、遺贈の場合は農業委員会の許可が必要です。許可は、一定面積以上の農地を耕作又は所有していないと得る事ができません。しかし、相続の場合は、農業委員会の許可はいりませんから、農地を耕作又は所有していなくても取得する事が出来ます。

ただし、相続など農地法の許可を要しない権利取得についても農地法の改正により農業委員会への届出が必要です。専門家が関与した相続手続きでは農地や自動車関連の手続きもサポートしてくれますが自分で手続きをする場合は注意しましょう!

空き家の売却

空き家の売却と相続手続き

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