(画像引用元:https://iqra-channel.com/)
こんにちは空き家の売却相談ナビです。今回は「不動産会社ってどうやって私の家の売出し価格を決めるの?」という疑問にお応えするため不動産業者が行う住宅の評価・査定方法について書いていきたいと思います。
一括査定サイトを通して不動産会社へ売却の依頼をした後に行うのが不動産の評価・査定でこの時に売り出す金額(売り出し価格)を決定します。
空き家や自宅を売るなら
不動産の売却を検討中でしたらHOME’Sの一括査定サイトが最もおすすめです。査定サイトのメリット・デメリットでも書いていますが一括査定サイトを使うことで悪質な不動産会社に依頼してしまうリスクを軽減でき、適正価格や高価格で不動産売却ができます。
家の査定の流れ
家の査定の流れは上記のようになっています。一括査定サイトを使って査定の依頼をした後、不動産会社が調査を行い査定結果(売出価格の案)を売主である、あなたへ通知します。
本査定とは役所での書類取得を行いしっかり調査した上で査定をするため制度は高いのですが時間とお金がかかってしまいます。
そのため現在では本査定は行わず「取引事例比較法」「積算価格法」などで簡易査定のみ行い、査定結果の報告をするケースが多いです。
この売り出し価格の案に納得いかない場合は、売り出しをキャンセルすることも可能です。私の紹介している一括査定サイトでは査定結果に納得いかないケースや不動産会社と合わないケースではサポートデスクの相談員が不動産会社へ代行連絡し断りの連絡をしてくれるので断るのが苦手な方でも安心です。
査定結果、売り出し価格に納得できた場合は家の販売が開始されます。このとき不動産会社と家の売り出しのための媒介契約を結びます。
不動産査定とは
売りたい家や土地がどのくらいの価値を持っているのか、調べる手順が不動産査定です。土地の場合には建物への評価がないので、立地と広さだけで簡単に求められそうですが、本来の意味での土地の評価は、その土地を最大限に利用すると仮定し、得られる価格を基準として計算を行います。
よく使う査定方法一般的に家やマンションの査定には「取引事例比較法」「積算価格」を用いることが多いです。なお、家やマンションだとしても収益物件として利用出来る住宅の場合「収益還元法」を利用することもあります。
不動産価格の形成要因
不動産価格の形成要因としては一般的要因、地域的要因、個別的要因があります。一般的要因とは不動産そのものが持つ価値や特徴とは無関係な要因で、好景気、不景気、法制度などです。
好景気時には不動産価格が上昇し、不景気の時には不動産価格は安くなります。また物件取得時の不動産取得税や登録免許税を引き下げるなどの税制度や住宅ローン金利の引き下げは不動産価格にプラスに作用します。
地域要因とは一般要因をさらにミクロにした要因で、不動産の所在する地域における各種規制(都市計画法など)によって価格の形成に影響を及ぼすものです。例えば用途地域のなかの第1種低層住居専用地域では飲食店やホテルなどの建築が規制されていますし、建ぺい率、容積率も低いです。
また、防火地域や準防火地域では耐火建物・準耐火建物にしなければならず建物の建築コストが高くなる傾向があります。
最後の個別的要因とは売りたい不動産そのものの個別的な要因です。例えば木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの建物の構造によっても価値が違います。
また、接道する道路によっては再建築ができなかったり、再建築時にセットバックが必要になるケースがありその場合は価値が下がります。
取引事例比較法
(画像引用元:http://www.mlit.go.jp/index.html)
取引事例比較法とは不動産の取引事例に着目する査定方法で、不動産査定の現場では最も多く使われています。一般的に不動産業者しか見ることができないレインズのデータを参考に査定額を算出します。
レインズとはレインズとは不動産流通標準情報システムの略称です。売買の成約価格、現在売り出し中の物件などを閲覧する事ができます。
査定方法としてはまず、対象となる不動産(マンションや家)と類似した取引事例を収集し、地域要因や個別要因の比較を行った上で査定価格を求めます。
近隣地域または同一需要圏内において、類似した不動産の取引事例がある場合に有効で一戸建てや区分所有マンションなど一般的な不動産の査定に適しています。
査定してくれた不動産会社に言えば下記のようなデータを出してくれるので参考にしてみると良いでしょう(下記は埼玉県にある区分所有マンションの実際の売買データです。左上が売り出し価格、右下が成約価格となっています)。
取引事例比較法の使い方この区分所有マンション(築35年程度)は280万円で売りに出し250〜260万円で成約していることがわかります。築年数の古い物件の場合、年数が経っても成約価格がほとんど落ちないため、平成30年現在だとしても280万円で売りに出せば250〜260万円で成約する可能性が高いです。そのため、不動産会社は「280万円で売りに出したらいかがでしょう?」と提案してくると思います。
積算価格法
(画像引用元:https://mitomi-estate.com/)
積算価格法(原価法)とは対象となる不動産の新築価格(再調達原価)を求め、そこから経過年数に応じた減価償却を行い、現在の価値を求める方法です。
私が計算したスウェーデンハウスの一戸建てで使用したものが積算価格法です。再調達原価の把握や減価修正が行える場合に有効で一般的に流通しうる一戸建住宅の査定に適しています。古い空き家の場合、建物価値は殆どないため「土地価格≒売出価格」となるケースが殆どです。
収益還元法
収益還元法とは不動産から生み出される収益に着目する査定方法です。一般的には投資用の不動産の価値を算出し、投資判断をする場合に使われますが、居住用不動産であっても、賃料の設定が可能な地域及び種類であれば活用する事が出来ます(関連記事については「価値の低い小さな土地に建っている一戸建ての売却相場」をご覧ください)。
具体的には下記のように計算を行い、経験上、売出価格400万円以下の不動産(空き家など)では利回り15%以上で売りに出せば売れる可能性が高いです。
収益還元法の具体例ここでは簡単な収益還元法の計算例について記載していきたいと思います。下記の条件の場合、利回りは「70万円÷(300万円+14万円+6万円+5万円+50万円)=18.67%」となります。18.67%の利回りが出る物件は市場に出回る事は少ないため、すぐに売却できるでしょう。
- 不動産(土地+建物)価格=300万円
- 仲介手数料:14万円
- 不動産取得税:6万円
- 登録免許税:5万円
- 初期リフォーム代:50万円
- 年間家賃収入:70万円
*収益還元法は少なくとも賃貸ニーズのある地域で計算が可能となっており、山奥など賃貸ニーズのない地域では計算する事ができません
売出価格の決定
査定結果に満足したら次は売り出しです。売り出し価格の注意点としては指値(値段交渉)などを考慮して価格設定することです。家を売り出した後、売り出し価格に対して指値が入ることは良くあることです。
2700万円を希望するなら2780万円で売りに出すなど売出価格には指値分の余裕を残しておいた方が売りやすいケースが多いのですが物件の種類や場所によって異なりますので良く不動産会社と相談すると良いでしょう!