こんにちは空き家の売却相談ナビです。今回は「お風呂がバランス釜になっている空き家を売りたいんだけど、どれくらいで売れるだろう?」といった疑問にお応えするため、不動産売買の専門家である管理人がバランス釜の家を売る場合のポイントについて解説させていただきます。
不動産の売却相場は「土地の価値+建物の価値+リフォームの価値」で構成されていますが、バランス釜については新品のバランス釜に交換したとしても売買時に価値として加算される事はありませんので、そのままで売るか更地として売ることをオススメします。
バランス釜の一戸建てを買う人はどんな人?
バランス釜は1970年代から1980年代初頭に建てられた一戸建てでよく見かけます。中には住んでいる途中でリフォームを行い、給湯の配管を新設しユニットバス化している場合もありますが、大規模なリフォームを行なっていない物件ではバランス釜のままになっています。
バランス釜物件の購入者は投資家や不動産業者が大半で、リフォームを行い賃貸業をする方やリフォームを行い転売する方が殆どです。
リフォーム内容は大雑把に分類すると下記のように「給湯管の新設」「給湯器の新設」「お風呂のリフォーム」となっており、お風呂はユニットバス化すると最も費用が高額になります。
バランス釜のリフォーム内容
給湯管の新設 | 〜60万円 |
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給湯器の新設 | 〜20万円 |
お風呂のリフォーム | 〜70万円 |
また、給湯管の新設については3点給湯(キッチン・お風呂・洗面台へお湯が配管されている状態)にすると給湯管の配管が長くなってしまいコストがかさむ事があります。
不動産業者による転売の場合、3点給湯にしないと売却しづらいのでお風呂、キッチン、洗面台の距離が近い物件を好んで買取する傾向があります。
バランス釜の一戸建てで高く売れる物は?
「木造平屋一戸建て住宅の築年数と売却相場」「軽量鉄骨造2階建て住宅の築年数と売却相場」で記載している通りバランス釜が設置してあるような古い空き家などでは建物価値は解体費用分のマイナスで売買される事が一般的です。
しかし、水回りのリフォームがしやすい物件の場合、建物価値0円や状態によっては建物価値が加算されて売買されることもあります。
どのような不動産が比較的高く売れるかというと左図のようにキッチン・お風呂・洗面台の給湯配管の新設が行いやすい不動産です。
(間取り引用元:https://www.athome.co.jp/)
反対に高く売りにくい(解体費分のマイナスになってしまう)不動産としては右図のような間取りの物件で3点給湯にする事が難しかったり、給湯管が複雑になってしまい費用(コスト)が高くなってしまう物件です。
給湯管の新設工事とは?
給湯管は下記の画像のように新設を行いますが寒冷地の場合、さらに、ヒーターを巻く必要があります(配管の下から出ているコードのようなものがヒーターの線)。
ユニットバス化のリフォーム費用や給湯器自体の費用はどのような水回りの配置でも殆ど変わりませんが、給湯管の新設費用は水回りの配置によって大きく異なります。
「バランス釜の家を売る」まとめ
いかがだったでしょうか?これまでの経験上、バランス釜がある建物の価値は「解体費用分のマイナス〜0円」程度が相場となっています。
そのため、土地値前後での取引となる事が殆どですが水回りの配置がシンプルで、給湯管の新設工事費用が安く済む物件の場合、相対的に高く売れる傾向があります。今回の記事が不動産売却の参考になりましたら幸いです。