リフォーム

今回は「3年前に家全体の壁紙をリフォームしたんだけど売却した場合、価値は加味されるのかな?」といった疑問にお応えするため、不動産売買の専門家である管理人がリフォームと不動産売却相場の関係について調べさせていただきました。

不動産の売却相場は「土地の価値」と「建物の価値」から構成され、リフォームは「建物価値」へ影響を与えます。

リフォームしていない建物の価値

リフォームをしていない建物の価値については「木造2階建ての価値」「軽量鉄骨造2階建ての価値」「木造平屋建物の価値」などで築年数と売却相場について掲載していますので参考にしていただけると幸いです。

一般的にリフォームやリノベーションをしていない不動産では築25年〜築35年で建物価値0円として市場で売買されています。しかし、リフォームを行っている場合、リフォームの価値を加味して売買される事があります。

壁紙のリフォーム費用

リフォーム費用

上記は私がよく依頼する業者の見積書ですが壁紙の張替えは量産クロスを利用した場合、1メートル(約1㎡)あたり800円程度が相場です。また、クッションフロアの張替えは2500円となっており建物の表層リフォームは高くありません。

ただし、砂壁や繊維壁の上から壁紙(クロス)を貼る場合、シーラーやパテなどの処理が必要になるためもう少し費用がかかり、1メートルあたり1500〜2000円が相場となりますが出来栄えは変わらないか若干劣るので、リフォーム価値は通常と同じ800円程度となります。

年数が経過した壁紙リフォームの建物価値への影響

リフォームの価値

リフォーム直後は「800円×施工面積」でリフォームの価値を算出する事ができますが、リフォーム後、数年経った場合の価値はどのようになるでしょう?

上記画像はいわゆる「東京ルール」と呼ばれている原状回復費用の借主負担割合を示したグラフです。壁紙などは耐用年数6年の赤線に該当し6年で価値が0円になることを示しています。

上記は売買相場とは直接関係の無いグラフですが、売買市場の価格も近い水準になる事が多く、そのまま不動産売買の現場でも利用する事ができます。事実、私が購入した物件や売却した物件でも価格を細分化するとリフォーム費用はグラフような価値推移をたどる事が多いです。

壁紙リフォームの具体的な価値の計算

壁紙の価値

壁紙(クロス)のリフォームが不動産の売買価格に与える影響について具体的に見ていきたいと思います。

建物床面積が仮に100㎡と仮定すると壁紙の面積は300〜500㎡程度だと思います。仮に壁紙を貼り替えた面積を400㎡とすると貼り替えた時点の価値は「400×800=32万円」となります。

壁紙の貼り替え費用

壁紙の貼り替え費用は業者によってまちまちです。一般的にハウスメーカーにリフォームを依頼すると実際施工するのは下請けや孫請けのため同一内容でも実質価値の2倍〜3倍のリフォーム費用となってしまいます。そのため「量産クロス=800円」「1000番クロス=1200円」で壁紙リフォームの費用を計算したほうが実情にあった価値の算出ができます。

1000番クロス

1000番クロスとは

1000番クロスとはいわゆる高級クロスの事です。通常の家では画像のようにアクセントクロスとして利用される事が多いです。普通、全面に1000番を使うことはあまりないため、通常の白色クロスのリフォームの場合800円で価値を見積もっておけば問題ありません。

壁紙リフォーム3年後の価値

壁紙をリフォームして3年経った時点で家を売却しようと考えた場合、リフォームの価値は「リフォーム時点の壁紙の価値÷耐用年数×(耐用年数-経過年数)」で計算する事ができ、実際に計算すると「32万円÷6×(6-3)=16万円」となります。

築30年の家の場合「木造2階建て不動産の築年数と売却相場」で記載している通り建物価値は0円前後なので、今回は0円として計算を行うと、仮に壁紙以外のリフォームをしなかった場合の建物価値は16万円と計算する事ができます。

この16万円に土地の価値を加味したものが売却相場となり、算出した価格の前後25%以内の金額で不動産が売れる可能性が高いです。

土地の価値の計算土地の価値の算出は「相続税路線価から算出する方法」が簡単に計算できるのでオススメです。また、具体的な計算方法については「築40年の空き家の売却相場の計算」「築15年の軽量鉄骨造一戸建ての価値の計算」「築35年の木造平屋一戸建ての売却相場の計算」で掲載しています。

壁紙をリフォームした家の売却相場まとめ

チェック項目
  • 量産クロスは1m=800円の価値で計算。
  • 1000番クロスは1m=1200円の価値で計算。
  • 壁紙はリフォームは「耐用年数=6年」で計算し6年後の市場価値は0円
  • 「壁紙リフォームの残存価値」=リフォーム直後の価値÷耐用年数×(耐用年数-経過年数)

いかがだったでしょうか?リフォームについてはセンスが悪いリフォームをしていた場合、結局、購入者が一からリフォームをし直さなければならないため、価値はマイナスとなってしまいます。

リフォームしてから売却する場合は出費もかさみますし、リフォームしないで売ったほうが高く売れたなんて事にならないよう、リフォーム・リノベーションなどに詳しい業者に相談してから手続きを進める事が重要です。今回の記事が不動産売却の参考になりましたら幸いです。