こんにちは行政書士講座比較ナビです。今回は行政書士専業で仕事をしている人の割合と行政書士の本当の年収について記載していきたいと思います。行政書士は食えない(食べていくことができない)と言われていますが、ヤフー知恵袋や2chの情報は本物の行政書士が書いている情報でないので殆どあてになりません。今回は現役行政書士として約4年活動した経験を踏まえ、行政書士で食っていくことができるか否か見ていきたいと思います。
行政書士の年収?
(画像引用元:https://nensyu-labo.com/)
行政書士の年収統計は月刊 日本行政で何度か掲載されています。また、各資格予備校や上記のような年収比較サイトでも記載されており、平均年収は400〜600万円前後のとされています。
ただ、この統計は行政書士業務での収入額なので「行政書士以外に会社経営している人」や「年金をもらっている人」「他士業とダブルライセンスで活躍している人」などは行政書士業務での収入が低くなる傾向があり、統計上、行政書士の平均年収を押し下げています。
そのため、月刊行政書士のデータを含め、統計データは実際にはあまりあてになりません。また、年収という概念も、サラリーマンに適用される概念であり、行政書士などの事業経営者では年商(売上)という言葉が適切です。
行政書士は粗利益率が高いビジネスモデルなので一人事務所の場合「年商=年収」に近い数字になるのでこの記事では年商を年収と置き換えて説明していきたいと思います。
専業者の割合
士業の中で弁護士は専業弁護士として活躍している場合が殆どですが他の士業はダブルライセンスで稼いでいたり、会社(法人)を複数経営しながら士業事務所経営を行っている方など、様々な人がいます。
行政書士は専業行政書士として活躍している人の比率が低く、私の肌感覚としては専業行政書士は下記のように全行政書士の2〜3割程度しかいません。
- 専業行政書士:2割
- 他士業と兼業行政書士(行政書士が主):1割
- 他士業と兼業行政書士(他士業が主):2割
- ビジネスと兼業行政書士:2割
- 年金暮らしの公務員OB+主婦行政書士:3割
最近は公務員OBがさらに増えたので、60才以下の専業者は本当に少ないです。ビジネスを並列で行っている行政書士で一番多いのが不動産会社を経営している人だと思います(管理人の場合、不動産関連事業とweb関連事業を行っている会社経営をしています)。
行政書士専業と言える人は「1.専業行政書士」と「2他士業と兼業行政書士(行政書士がメイン)」です。そのため、これらの人の年商=行政書士の年収と言い換えることができます。
専業行政書士の年商
専業行政書士(「1.専業行政書士」と「2他士業と兼業行政書士(行政書士がメイン)」)は人を雇っている事務所と人を雇っていない事務所に大きく分けることができます。一般的には一人事務所で開業し、売上が上がってきた段階で人を雇います。
また、人を雇える規模の事務所になると売上(年商)が安定する傾向があり、飲食店や製造業などと異なり人を雇っている事務所で売上が落ちて潰れたという話は聞いたことがありません。
人を雇っている事務所の年商
人を雇っている事務所の年商は最低で1000万円〜となっています。年商1億円を超えている事務所は2018年だと50事務所程度あるようですが、弁護士や税理士に比べると億越え事務所は圧倒的に少なく、年商10億円を超えている行政書士事務所は無いかもしれません。
億超え事務所の数2009年に発売された「行政書士のためのマーケティングマニュアル」という書籍で億越え事務所はわずか27事務所しかないという記載がありますが、最近では若手行政書士を中心に年商が1億円を超えている事務所がでてきているので倍くらいにはなっているでしょう。
一人事務所の年商
これから行政書士を始める方は初めは一人事務所での開業だと思います。1人事務所は固定費が殆どかからないので潰れにくいですが労働集約的なビジネスモデルのため、売上高の上限は700-800万円くらいだと思います(すごく頑張って1000万円前後)。また、当たり前ですが資格が仕事を運んでくるわけではありませんので、一人事務所は年商0万円〜1000万円前後までバラエティーに富んでいます。
基本に基づいたプロモーションを行い集客をすれば一人事務所でも月の売上40〜50万円(年商500万円前後)くらいは十分稼ぐことができます。ただ、間違った集客方法を行っているようならばいつまでたっても0円売上が続くでしょう(笑)
行政書士は食えるか?
今の時代、資格をとったことによって食べることができるのは公務員かサラリーマンになるための資格だけです。正直、食べることだけを考えればアルバイトでもしていた方が確実でしょう。開業する場合は「弁護士」「税理士」「社労士」「司法書士」「行政書士」「不動産鑑定士」「中小企業診断士」どの資格だとしても資格で仕事がくることはありません。
資格で仕事がくる医者と歯医者「医者と」「歯医者」は弁護士や税理士、行政書士などの法律系士業に比べるとマーケティングに関する知識が乏しくてもある程度、集客できます。ただ、地方だとしても初期の設備投資は膨大ですし、人件費を含めたランニングコストが高いので開業医はそれなりに大変らしいです。
行政書士で食っていくには?
行政書士で開業して食っていくには最低でも経営戦略関連の書籍5冊、マーケティング関連の書籍を5冊、web集客関連の書籍10冊は読んで、集客やビジネスの基礎を学ぶ必要があります。
試験合格した人ならば勉強する癖は付いているはずなのでそこまで難しいことではありません。行政書士もビジネスなのでビジネスの基礎を学ばないで戦うのははっきり言って無謀です。
行政書士は設備投資も少なくて済みますし、業務範囲が広いので地域独占の仕事を作りやすく、新規参入でも仕事を取ることができます(仕事を取った後は口コミで仕事が増えますし、本気で3年くらい経営すれば事務所経営は安定します)。
税理士や弁護士に比べると収入の上限は低いですが、仕事をとって食べていく(月収30〜50万円)事を狙うのならば、法律系士業の中で行政書士が一番、難易度が低いでしょう!今回の記事が行政書士試験や行政書士実務の参考になりましたら幸いです。
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